FC2ブログ

HOME   >>  新刊情報・注目本  >>  2010年2月刊の新刊・注目本情報
02 26
2010

新刊情報・注目本

2010年2月刊の新刊・注目本情報



 2010年2月刊の新刊・注目本情報です。

 アマゾンのキンドルやアップルのipadの登場により、紙の本で読む時代は数年後に終わっているかもしれない事態が現実感をおびてきました。私は数年後には電子書籍で読むのがあたりまえになる時代がくると思っています。

 なぜならネットのようにほぼゼロ円で本を出版できるからです。これまでは製本や印刷、流通や卸、書店などによって本の値段は高く設定されていました。ネットで発信できるのならそれらのコストはほとんどかかりません。出版社の選別能力や販促の力はのこってゆくでしょうが、モノとしての発送にかかるコストはいっさいかかりません。半額や三分に一くらいに下げられるのなら多くの人は電子書籍にとびつくでしょう。価格破壊の影響はそれほど大きいということです。本という情報や知を読むのに、印刷や発送のコストなんかにお金を払うのはムダすぎます。

 製本や物体としての手ざわり、一冊の本としての独立性と完結性に魅かれるという人は多いと思いますが、それは紙の本による愛着の方向が違ったほうにいったのだと思います。ほんらいは情報のみを摂取するのが本の目的です。紙の本に対する愛着は価格破壊によって完全に捨てられると思います。電子書籍によって本の概念やありかたは変わらざるをえないと思います。音楽がレコードやCDからダウンロードに変わったように、新聞が大判の紙面からネットでニュースを読むようになったように、本もその本質を問わざるをえないというものです。ただ紙の本にたいする愛着の抵抗は根強いと思いますし、豪華な装丁や本のぶあつさ、表紙のデザインによってその本の価値をおしはかることができたのですが、それも押し流されてゆくのでしょう。

 あと数年の命かもしれない紙の本の読書を楽しみましょう。


貧者の領域---誰が排除されているのか (河出ブックス)心でっかちな日本人 ――集団主義文化という幻想 (ちくま文庫)集団―人類社会の進化
『貧者の領域』は排除と隠蔽のありかたを暴き、問題を強く問うている気がします。『心でっかちな日本人』は日本人は集団主義であるという幻想をくつがえしてくれるでしょうか。アメリカの個人主義のネガとしてとらえられてきた趣がありますね。『集団』は集団とはなんであるかと深く問えるでしょうか。

自己愛(わがまま)化する仕事―メランコからナルシスへ勉強会に1万円払うなら、上司と3回飲みなさい (光文社新書)新編 普通をだれも教えてくれない (ちくま学芸文庫)
『自己愛化する仕事』は利他志向的な仕事とぶつかって職業観の根本を折っている気がします。それが他者へのサービスという貨幣の循環、経済の成長を阻害しているのだと思います。『勉強会に1万円払うなら、上司と3回飲みなさい』は本屋で思わずひきこまれました。こういうベタなありかたも有効な学びがあるという逆説も傾聴したい気がします。

女はポルノを読む―女性の性欲とフェミニズム (青弓社ライブラリー)モダンガールと植民地的近代――東アジアにおける帝国・資本・ジェンダー書物の変―グーグルベルグの時代
『女はポルノを読む』は抑圧されてきた女性の性の肯定ですね。『モダンガールと植民地的近代』はくみあわせが妙ですが、領土拡張時代に女が男性化された現象を追ったのでしょうか。

聖なるもの (岩波文庫)離婚で壊れる子どもたち 心理臨床家からの警告 (光文社新書)スポーツ観戦学―熱狂のステージの構造と意味 (世界思想ゼミナール) (SEKAISHISO SEMINAR)
オットーの『聖なるもの』は読んでおいたほうがいいんでしょうか。カイヨワの『聖なるものの社会学』は戦争の悦楽、民主国家と全体戦争の関係を説いていて読みがいがありましたが。「2000年秋の書評 性愛市場―総力戦

ウェブ時代5つの定理 (文春文庫)灘校 なぜ「日本一」であり続けるのか (光文社新書)働く人のための「読む」カウンセリング ピープル・スキルを磨く
『灘校 なぜ「日本一」であり続けるのか』 橘木俊詔が灘校について書いていますね。『働く人のための「読む」カウンセリング』はピープルスキルを磨くとなっていて、私には必要かも。

社会を生きるための教科書 (岩波ジュニア新書) (岩波ジュニア新書 647)子ども虐待と貧困気候文明史
『子ども虐待と貧困』 虐待にはかならず貧困問題があると考えるべきですね。心理的問題だけに還元する時代はもう終わりにしなければ。個人のせいにして貧困問題を隠蔽したい社会がアブナイと思います。

暴力は親に向かう―すれ違う親と子への処方箋 (新潮文庫)ネットの炎上力 (文春新書)日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)
『日本は世界5位の農業大国』 農水商官僚の情報操作によって窮状が訴えられて予算ががっぽりというしくみ。


関連記事
Comment

書籍の命

わたしも、そのことを考えていた矢先です。
「本を出す」ことに職業的生命を賭けてきたつもりですが、はたしてそれで生活していけるのか、売れるのか、意味があるのか、読まれるのか、などなど、しかも編集者や出版社の目もかなり厳しくなってきています。
ブログやtwitterなど、ややおじさんからおじんになりかけているわたしには、ついていけない面があります。
紙媒体は、相当レベルの高いそして安価なものだけが、つまり薄利多売できるベストセラーだけが残ると思われます。
うえしんさんが、最近言われる生き残っていくための職業能力が問われていますね。

大野さん、こんにちは。

紙の書籍はどのように生き残ってゆくのでしょうね。

でも電子書籍なら直販で一冊三千円で千人の人に売れれば、三百万円確保できますね。紙の書籍に頼らなければ、電子書籍で食える道はこれまでより爆発的に増える可能性はあると思います。

アマゾンでロングテールとかいわれていますが、紙の書籍のようにマスを意識しないで売れる可能性は電子書籍のほうがぐっと広がるのではないでしょうか。元手ほとんどなしで出版できますしね。出版はマス・マーケットを意識しない方法もかなり充実するのではないでしょうか。

ただ電子書籍が普及するにはそれなりの時間がかかると思いますが、普及すれば書籍のありかたは大幅に変わってゆくことになると思います。

書籍はネットにのみこまれて、書籍というかたちすらなくしてゆくのかもしれません。新聞やテレビがネットにのみこまれてかたちを変えてゆくように。ネットの革命は草創期からいわれてきたことですが、現実の目に見えるかたちで起こってきたのがこんにちの姿だといえるかもしれません。

大野さんにはブログを書いてもらって、ネットで普及・宣伝する面にも注目してもらいたいと思います。池田信夫とか濱口桂一郎とか、本田由紀とか、小飼弾なんかはネットから注目されたという面もあると思います。これからネットがメディアを食ってゆくのでしょうね。
Trackback
title>
Trackback URL
Comment form









管理者にだけ表示を許可する






プロフィール

うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。神秘思想、仏教、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

Kindle本、2冊発売中です。

 

twitterはこちら→ueshinzz

google adsense
全ての記事を表示する
ブックガイド特集
月別アーカイヴ
FC2カウンター

Page Top