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02 20
2010

自分で稼ぐ方法

『小さな飲食店をつくって成功する法』 ジーン・中園


小さな飲食店をつくって成功する法
ジーン・中園

小さな飲食店をつくって成功する法


 わたしは飲食店をもつ気などまったくないのだが、起業家の観点をえるためにこの本を読む。思考訓練である。

 わたしは雇われ根性しかもっておらず、いかに仕事や労働から離れるかを理想として生きてきたのだが、40歳をこえて年齢制限などで職のなくなる現実につきあたり、自分の職業能力を高めないと生きていけない危機感を感じてきたのでどうしたらそれを高められるかということで、起業家の視点の必要性を感じたというしだいだ。

 やはり雇われ根性からはいかにラクしてと仕事をするか、いかにしんどくない仕事をしてそれなりの給料をもらえるかという考えになる。上司や雇用者の考えもなかなか見えてこない。給料をもっとくれ、休みをくれ、もっと社員のことを考えろと、要求や文句の一方的合唱だけになる。だから起業家の観点、いわばまったくぎゃくの使い手の視点から見てみなければならないということを感じたのである。

 どんな仕事もさいしょは起業からはじまり、のちの仕事もその観点からおこなわれる。しかしわわれれの大半は企業に雇われて、はじめから仕事があり、与えられた仕事をこなし、出世していくという想定を描いている。起業家の視点はすっぽりなく、労働者の視点しかない。これでは仕事のなんたるかは見えてこないだろう。

 この欠落をかかえたまま仕事とむきあっていると、とくに直接お客と出会わない仕事をしていると、仕事とはなんのためにあるのか存在理由すら見えなくなる。どんな仕事も起業家の視点から見ると仕事とはなんのためにするか見えやすくなるだろう。小さな飲食店はそのモデル・ケースになりやすいだろう。どんな大企業だってもとは小さな飲食店のようなものから出発したのだ。

 当事者の気持ちになって仕事をする。自分が店をもつ気持ちでこの本を読む。そういうシミュレーションとしてこの本を読んだのである。ワークシートのようなものであったらもっと実感のこもったものになったかもしれない。まあ、ハナから起業など考えていないのであまり楽しんで読めた本というわけではないが、こういう思考訓練はいつかしなければならないと思っていた。労働者の一方的観点からでは見えてこないものがたくさんある。

 自分の店をもつには開業資金がかかるし、とくに家賃は高い。立地を選ばなければならないし、店内のレイアウトも考えなければならない。メニューを考え、従業員の訓練も考えなければならない。仕入れや経営状態もつねにチェックしなければならない。

 たぶん自分ですべてを考えて、自分ひとりで決められて、思いのままに仕事をできるのって楽しいことだと思う。労働者の仕事というのはすべて他人に決められて、他人から教えられる仕事をこなすものである。「やらされ」感がずっとつきまとうし、自分のためではない、だれかのための会社というのは自分のことのように一生懸命、必死にはなれないだろう。起業家は自分のために仕事ができるのだから、なにより楽しく、生きがいをもってできるだろう。もちろん会社の仕事も当事者意識でとりくめばいくらでも楽しくなるものだろうが。

 仕事というのは「やらされ感」や「雇われ根性」、または「与えられるもの」と思っている人には成長や楽しみはずっと見えてこないものだと思う。起業家や当事者の意識でとりくまないと仕事の能力は向上しないものだと思う。会社ははじめから稼ぐ人、自分から能力を高められる人を求めているものだが、労働に反逆精神をもってきたわたしはようやくそういう視点の欠落を思い知ってきたというしだいである。仕事は「あたえられるもの」ではなくて、自分から「つくるもの」という意識転換をしないとこれからの雇用縮小社会はのりきっていけないのだろう。


シドニー在住の著者のブログ
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会社を辞めずに自分の店を持つ 週末店主 自分でパパッとできるはじめての飲食店開業&経営 おもろい「1坪商法」で食っていく―リストラ、脱サラ、倒産、転業、副業…あなたが探している商売がきっとある70の実例 なぜあの人は、5時帰りで年収が10倍になったのか?―成功者だけが知っている、時間とお金の極意 小さな飲食店 成功のバイブル―赤字会社から年商20億円企業までの軌跡
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Big Issue最新号

あるきっかけがあってからBig Issueを販売しておられる方に出会った時にはBig Issueを買うようにしていますが、最新号(Vol 137)で、巻末に載っていた販売人の方が将来の夢として10個300円くらいのたこ焼き屋を自分でやっていきたいと書いてあったのを思い出しました。

勿論、学問でも自分の全人生をかけても新潟大学のサンショウウオ博士のような末路をたどりかねないように(詳細はgoogleで出てきます)、飲食店も自分の全人生を
かけて味を追求してもつぶれかねない世界なのかもしれませんが、それでもこうして飲食店をはじめられた方が一人でも多くsurviveしてくれることを願います。

こんにちは。

飲食店をもつ夢は「田舎暮らしの夢」や退職後はのんびりとして暮らしたいという夢に通じるところがあるのかもしれませんね。現実の否定としての夢であるけれども、実現性は遠いというのは本人も自覚している。たんなる現実の否定で、心休まる夢想の役割だけなのかもしれませんね。

学問というのは本人がおもしろくて価値があるものであっても、市場の大半の人は欲しくないものに情熱がそそがれてしまうという傾向があるのかもしれませんね。ふつうの人はこんな学問なんかどこがおもしろいのだと怪訝に思うだけで、飲食店のようにだれもが必要とするものを売っているわけでもありませんね。

学問というものは商売にならないほうに価値がすすんでしまうという悲劇があるのかもしれません。経済的にはまったく利益がないのですが、人間の興味や趣味というものはそちらのほうにひっぱられてしまうものかもしれません。

学問には「経済脳」や「商売脳」といったものが必要だと思いますし、客のニーズやほしいものを考えてみる必要があるのだと思います。ビジネスマンみたいに売れるもの、儲かるものを第一に考える発想なんて学問にはないと思いますものね。
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