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12 26
2009

おすすめ本特選集

2009年ことしのおすすめ本と読んだ本



 2009年は5月ころまで失業していて、40代の失業は、失業をバカンスととらえる私もさすがに精神的に追いつめられました。世界的株価暴落や派遣切りで求職者も殺到していて、もうだめだという気持ちの落ち込みに抗しなければなりませんでした。

 だからあまり価値や重要性を感じないけれど自己啓発や成功哲学ばかり読んでいました。気持ちをはい上がらせるためにマーフィーなどの本を必死に読みましたが、沈みこむ気持ちの吸引力はとても強いものでした。精神のか弱さを感じました。ことしの「GREAT BOOKS」はこのジャンルからの四冊のみでした。

 私の落ち込みは中年クライシスというものもふくまれていたのかなと思います。40代というのは結婚して子どもがいればそろそろ10代や20才ちかくになっており、人生のライフサイクルがひとめぐりしたのに私はなにも得ていないという喪失感に襲われました。人生に放っておかれたという気持ちがして、あらためて月日の速さに呆然としました。

 職を得たらそういう落ち込みからだいぶ救われたのですが、株価暴落や派遣切りの報道が恐ろしくてテレビを見たくなくなりました。人生の価値観や楽しむ気持ちもかなり失われて、なにもかもムダだという消沈の気持ちがはりついて離れませんでした。職を得て半年、そういう気持ちからじょじょに回復してきたようです。

 だからことしの読書欲、知識欲はいまいち低調でして、いぜんのようにひとつの知りたい、極めたいジャンルと出会えませんでした。私の読書はそういうときがいちばん楽しくて、価値があることをしていると思えます。来年はそういう読書ができればいいなと思います。

 ことしの私の恐ろしく感銘した四冊の書を紹介しておきます。

人生が楽になる 超シンプルなさとり方 (5次元文庫)

 『人生が楽になる 超シンプルなさとり方』 エックハルト・トール

 このエックハルト・トールの『人生が楽になる超シンプルな悟り方』は思考や心の過ち、幻想性をひじょうにわかりやすく説いた本で、心のカラクリをこれほどシンプルに解明した本はほかにないと思います。思考はまぼろしであり、過去の苦悩や未来の不安をつくりだすといった知恵を明晰に語ってくれています。

 私はリチャード・カールソンの『楽天主義セラピー』に出会ってから思考の虚構性をもっと深く知ろうとクリシュナムルティやラジニーシ、ケン・ウィルバーなどの精神世界、または仏教や禅などを探ったのですが、このエックハルト・トールの本ほどそのエッセンスをシンプルに明晰に語った本はほかに出会っていません。

 悟りとか宗教の言葉でまぶしてしまったら知識への障壁をつくりだしてしまうだけだと思うのですが、これを宗教とか精神世界の本とみなして遠ざけるのは損失といわざるをえません。どうしてこの心理的知識を宗教として囲い込んでしまう過ちを犯してしまうのかと私は思いますが。心とはどんな虚構の過ちに陥っているか明晰に教えてくれるぜひ知っておきたい知識がのべられた本といえます。


マーフィー 人生は思うように変えられる―ここで無理と考えるか、考えないかで… (知的生きかた文庫)

 『マーフィー 人生は思うように変えられる』 ジョセフ・マーフィー 

 マーフィーは「願えば金持ちになれる」とか「願いは叶う」とかお手軽な願望成就をうたって、堅実な人の信頼をもちえないだろうのはたしかですね。私もおおかたはバカにしているのですが、失業中や困ったときには慰めや癒しの言葉もたくさんつまっているので、ほかの著作も同じようなことをいっていますが、この一冊をえらびました。

 マーフィーの心理観、世界観というのは、人生は思ったことの結果であるということです。この世界観はかなり重要です。ふつう人は人生や出来事は心と関係なしにおこると考えますが、マーフィーはぜんぶ心の内容の結果だといいます。いいことを考えていればいいことがおこり、悪いことを考えていれば悪いことがおこるということです。

 思うことが人生の結果に結びつくことなんか思ってもみませんから、人は憎悪や腹立ちや、不幸や悲しみ、悲惨ばかり考えます。マーフィーによればそれは自分の人生を破壊、壊滅していることと同じになります。まさに自分の感情の内容が人生にあらわれるのですから。貧困や困ったことばかり考える人は人生にそれを呼び寄せていることになります。だから幸福や願望、成功、豊かさや繁栄で心を満たせとマーフィーはいうのです。あながちこの理論はバカにできないかもしれませんね。類は類をよびます。

大きく考えることの魔術―あなたには無限の可能性がある

 『大きく考えることの魔術』 ダビッド・シュワルツ

 この本はたいそう感銘しました。ほかの成功哲学も人は思ったとおりの人間になるといっているのですが、この本はそのネガティヴ方面から説明してくれて、私の心にたいそう染み入りました。この本にもっと早く出会いたかったと思うほどの本でした。

 人は「自分は価値がない、たいしたことはできない、重要でない」とつね日ごろ考えているからそのとおりの結果しかえられないとこの本は教えます。だから「自分には自信がある、重要で価値のある人間だ、大きなことをなしとげる」と考えなさいとさとしました。

 不可能と考えていれば不可能な理由ばかり探しますが、できると考えればその方法を考えつくとこの本の著者シュワルツはいいます。だからすべてに大きな達成を考えなさいとシュワルツはいうわけです。

 心理学の交流分析でも「人生脚本」といって、親にいわれたことや自分で思った人格の人生脚本を生きることになるといいましたが、この本はその成功や可能性、大きなことの達成の方法を説いたわけです。

 ほかの成功哲学も同じことをいっているのですが、この本はなぜかひじょうに感銘させる違いをもっていました。なにが違うんだろうと思いますが、おそらく説明や話の運び方、説得や気持ちのもっていき方がうまかったのだろうと思います。成功哲学というぼやけたものより、成功「心理学」といってよい本だったと思います。

人生がうまくいく、とっておきの考え方―自分を信じるだけで、いいことがどんどん起こる! (PHP文庫)

 『人生がうまくいく、とっておきの考え方』 ジェリー・ミンチントン

 この本の著者ジェリー・ミンチントン恐るべし、といった感想をもつほど心理的洞察の優れた本だと思いました。舌を巻きました。悩みや苦しみの特徴やまちがいが明晰に提示され、誰もが思い当たることだと思います。ありきたりのパターンで悩んでいたんだなと自分が恥ずかしくなりました。

 エッセンスのほうはこちらの「自分の悩みや問題を過大視する習慣」でまとめていますので、ご一読のほうを。人は人と比較して自分はダメだと思ったり、自分の悩みが特殊だと思ったり、自分を責めたり、価値がないと思ったり、私は劣っている、欠点だらけだと考えたりします。ミンチントンは人の悩みや心の中をまるでまな板にのせてどんな種類や特徴があるのか明瞭に見せて、その過ち、愚かさに気づかせてくれます。よくこんな洞察や観察をものにしたものだと思いますし、愚かさのパターンがこんな単純なものかと恥ずかしくなりました。

 ミンチントンがいちばんこだわった心理的対象というのは「自尊心」だと思います。私たちはあまりにも自尊心をないがしろにし、軽んじ、傷つけたり、自信をなくしたり、軽視しているかということについて追求した自尊心の専門家だと思います。現代はあまりにも自尊心が突き落とされることが多くて、それは親の小言や批判、人との比較にはじまり、ついには自分で自分を守ることもない、ぎゃくに自分を責め、おとしめる自尊心をみずからやしなってしまうことになります。ミンチントンはそんな自尊心の窮状からの回復をうたった人だと思います。自尊心はぼろぼろに踏みつけられています、それも自分自身であらんかぎり蹴りつける愚かさに私たちは気づかなければならないということです。

 この本は悩みのありきたりのパターンが明瞭に箇条書きで示されて、舌を巻きました。カーネギーの『道は開ける』は悩みから脱出する方法を説いたスタンダードな本になっていますが、この本はカーネギーに匹敵するほどの悩みの特徴を提示した名著だと私は推したいと思います。なおミンチントンのほかの本はハウトゥ本になっていて、この本のような理論的な本ではないようです。


 以上が2009年の私のおすすめ本になります。成功哲学や自己啓発のジャンルばかりになり、社会問題や思想などの探求本のジャンルから感銘本と出会えなかったのが残念に思いますので、来年はそのような本に出会いたいと思います。あるいは理論を追求しても実際や現実の実践にほとんど役に立たないという懐疑もきざすようになってきましたから、もうすこし実際的で実践的な本を読むようになるかもしれません。私の好きだった抽象的な理論本はなにかの役に立ったのかと決算する時期になってきたのかもしれません。


ぜひ読んでほしい本
リチャード・カールソンの楽天主義セラピー 道は開ける 新装版


いぜんのおすすめ本
 2008年、私のGREAT BOOKSと読書傾向
 2007年 ことしのグレート・ブックス

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Comment

こんにちは。

今年のおすすめ本と読んだ本、どれも自分を冷静に受け入れたり積極的に奮い立たせる本が並んでいますね。
エックハルトトールはまさに心のカラクリを解明した本であり業想念と無駄な否定的な思考でいかに私たちが曇らされているかを気付かせてくれた本だと思います。

本とはその時その状況等により同じ文章でも見え方が変わってくるのが面白いですね。個人的には積極思考で元気になったと思ったら落ち込み、開き直り居直り精神で元気になったら又落ち込みの繰り返しの日々です。いずれ何年何十年したらまさに全てが「消えていく姿」である幻ですから欲を持たず、何事にも執着せず、そのときそのときしたいことをしているうちにいつか気が付いたら道が開けているのかもしれません。
などと考えながらクリシュナムルティを買って読み始めた今日この頃です。 真理とは何か考えだしたら終わりは遠いようですね。

たいようさん、こんにちは。

エックハルト・トールは私がカールソンの本を読んでからクリシュナムルティやラジニーシなどを読んで思考の幻想性を理解しようとしてつかんだものが明晰に書かれていると思いました。

思考の幻想性に気づくには時間に注目するのがいちばんのようですね。過去も想像でしかないし、未来も存在しない。でも人は過去や思考によって苦しんだり、悩んだりする。すべてはまぼろしなわけですね。いまは一瞬でしかないわけだから、過去も未来も奈落の底のように存在しない。私はこういうことは中島義道の時間論で学びましたが。

思考は捨てる、あるいは私ではないと考えるのがいいのでしょう。人は思考こそが自分であり、自尊心や正しさにしがみつこうとして、幻想の日々を送ってしまうのでしょう。思考を道具として、足元や少し遠くにおいておく立場がいいのでしょう。

クリシュナムリティは『生と覚醒のコメンタリー』という本は四冊出ているのですが、三巻で読むのを止めていて、いつか四巻を読もうと思っています。

私は宇宙意識や世界との一体感というものを体感したいと思っていますが、なかなかわかりません。チャネリングはその世界にちかいかなと思いますが、やっぱりそれでも理解はおよばないようです。でもしばらくは世俗の問題におぼれそうですが。

ブログを読ませていただきありがとうございます。
来年も良い年になりますように。
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プロフィール

うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。神秘思想、仏教、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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