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12 30
2005

読書

2005年ことしの読書テーマ


 恒例になりましたことし一年の読書の総括です。

 ことし考えたことは去年からの読書のつづきで古代史をやっていて、そのなかから歴史とは優越意識を満足させるものではないのか、学問とはその優劣観の証明にすぎないのではないかということを探っていた。つまりは学問や歴史というのは、そのお国の「自尊心」物語なのかを問うたわけである。

 とうしょはビジネスやカルチャーのなかのナショナリズムを抉り出したかったのだけど、それは司馬遼太郎に典型的にあらわれていると思ったのだけど、読書するうちに、柳田国男の民俗学に民衆をひとくくりにするための国家の優越意識の高揚を見い出したり、先進国ヨーロッパの優越意識のなかに自己の優越感と他民族への侮蔑を見つけ出す流れになっていった。

 つまり学問とは自分たちを優越するものだと見なし、他者を侮蔑するための証明装置にすぎないことを発見したわけである。人間の知識の欲望の原点や限界を見た気分である。

 ▼ことしのGREAT BOOKS
 日本古代史と朝鮮歴史とはなにか司馬遼太郎と藤沢周平―「歴史と人間」をどう読むか南島イデオロギーの発生―柳田国男と植民地主義tunazawa1.jpg帝国意識の解剖学表象の植民地帝国―近代フランスと人文諸科学308935951.jpg

 このテーマの興味が終息したあと、新しく出てきた現代作家の小説を読んでみたけど、まったくなんの得るところもなかった。

 ことしは山田昌弘の『希望格差社会』や三浦展の『下流社会』が話題になったりして、アメリカのような格差社会がやってくるのかと人びとを脅えさせたが、私としてはみんなで豊かになるという近代の目標がもう終わってしまったのだから、カネで階層を測るモノサシなんて意味がないと思うのだが、人びとはそれぞれの幸福の基準を見い出していないようである。私はいつまでもカネでしか人を測れない人たちの哀れさを思うだけである。

 またことしは養老孟司の『バカの壁』が400万部を突破して、出す新書がつぎつぎと売れた年であった。なんで養老さんの本がそんなにバカ売れするのか不思議に思いつづけた。この人のエッセイはまあ冴えているし、脳化社会は重要な視点だと思うのだが、一般の人たちはなにを求めているのだろうと思う。人物としては魅力的であるし、知への情熱とか常識を笑い飛ばす姿勢はいいものだと思うし、NHKのTVなどによく出ていたことが一般の人たちの高得点を得たのだろうかと思う。たぶん本を読まない人をバカよばわりしたようなタイトルが功を奏したのだろう。やっぱり恐怖産業がヒットの秘訣。新書のヒーローになった。

 自分の読書に話をもどすと、いまは本田透の『萌える男』を読んでから、また恋愛資本主義とはなにか、恋愛結婚とは終わるのか、というテーマに火がついた。私はこの恋愛ファシズムのような社会に不快感や疑問感をかなりもっていたし、日本の性愛状況というのはどうなっているのかという疑問ももっていたから、今回はそれを結婚という切り口から考えてみようという気になった。

 私も独身でいつのまにか38歳にもなったのだから、なぜ私は結婚したいとは思わないのだろうか、なぜ女性を所有することの抵抗感が強いのか、結婚をどう考えるのかといったことなどを捉えなおす機会にもしたいと思ったのである。結婚の民族学とか人類学でも参考にしたいと思ったのだけど、案外そういう本は少なくて、はやくもテーマが終わってしまう感もなきにしもあらずだ。結婚を経済関係から捉える視点で考えたいと思っている。

 ▼ことしのGREAT BOOKS
tsikuma00111.jpg結婚の条件高学歴ノーリターン The School Record Dose Not Pay

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