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09 30
2009

集団の序列争いと権力闘争

『職場はなぜ壊れるのか』 荒井千暁


職場はなぜ壊れるのか―産業医が見た人間関係の病理 (ちくま新書)
荒井千暁

職場はなぜ壊れるのか―産業医が見た人間関係の病理 (ちくま新書)


 ああ、二重の後悔。この本は二年前に読んでいたこと、そして書き終えた書評が消えてしまった。あらためて書き直す。

 この本はタイトルには惹かれるのだが、内容のほうはほとんど印象に残らない。だから読んだことすら忘れて再購入してしまうような本だった。まあ、なんにも語っていない。

 私は「職場はなぜ壊れるのか」ではなくて、「職場の人間関係はなぜ悪くなるのか」のほうを問いたかった。悪意や憎しみ、怒りなどが職場でなぜ生まれ、うずまくのか、そういう理由のほうを知りたかった。

 ブラック企業の事例をならべて、なぜこのようなブラックな職場や人間関係になったのかと分析するような本がよかったかもしれない。そこには業務面からの理由や、人間的要素からの理由などいろいろな面があるだろう。私はできればブラック予防の方法を知りたいのである。ブラックな環境の中での賢明な世渡り、対処法を知りたいというわけだ。

 この本はおもに成果主義の功罪のようなものが書かれているが、素描やエッセイのようなもので心に響かない。やっぱり職場の人間関係の根本的な問題を探ってほしかった。

 産業医によって書かれた本だが、産業医はなんらかの有益な仕事ができるのか疑問に思えてくる。ただ状況を語ったり、分析するだけではブラックな職場は改善されないし、けっきょく問題は個人の治療で終わりになりそうだし、職場の環境は変わらないままだという気がする。産業医は社会心理的な解決の方法をうちたてられるのだろうか。


関連書評
 二年前の書評。こんかいと変わらないことを思っています。
 『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』 高橋克徳・河合 太介ほか
ブラック企業の闇―それでもあなたは働きますか?』 ムネカタ スミト

こんな上司が部下を追いつめる―産業医のファイルから こんな上司が部下を追いつめる―産業医のファイルから (文春文庫) 職場いじめ―あなたの上司はなぜキレる (平凡社新書) 成果主義とメンタルヘルス 勝手に絶望する若者たち (幻冬舎新書)
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