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06 06
2009

セラピー・自己啓発

『人生がうまくいく、とっておきの考え方』 ジェリー・ミンチントン



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人生がうまくいく、とっておきの考え方―自分を信じるだけで、いいことがどんどん起こる! (PHP文庫)人生がうまくいく、とっておきの考え方―自分を信じるだけで、いいことがどんどん起こる! (PHP文庫)
(2006/03)
ジェリー・ミンチントン

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 この本の著者、ジェリー・ミンチントン恐るべし。おおくの人にとってこの本は目からウロコの本になるだろう。現代社会に当たり前と思われていて、それによって自分を苦しめたりする考え方や重荷をとりのぞいてくれる方法を教えてくれる。「そんなふうに考えてもいいんだ」、「べつのラクになる選択肢をとってもいいんだ」と教えてくれる。

 ただし、私がこの本はすごい、完璧だと思ったのは20章のうちの自尊心を語った6章までで、そのあとは自己啓発や心理学をちょっと読んでいればなじみの方法が出てくるから、私の「GREAT BOOKS」に選出するかは迷ったのだが。さいしょの自尊心の部分と、当たり前に思っている私たちの思い込みの重荷をとりのぞいてくれるという点に「GREAT BOOKS」を贈りたいと思う。よくぞ常識や当たり前の重荷や苦痛を指摘して、改善策を提示してくれたと思う。

 自尊心というのは私にはよくわからないし、どこまでを自尊心というのか、どこまで自尊心にかかわってくるのかわかりにくい。自分に向けた部分と、外界や他人に向けた部分も自尊心にかかわってくるから、自尊心とはどこまでの、なにをいうのか、とらえにくいと思ったりする。

 たぶん自尊心というのは心を大切にしないことにかかわってくるのだろう。自分を悪く、否定的に考えることはとうぜんに自信と自尊心を失わせるが、外界や他人、出来事や人生を否定的、悲観的に考えることも自信や自尊心を傷つけるのだろう。すべてをやさしく、あたたかくつつみこまないと自尊心は損なわれるのだろう。

 私たちは親から短所と否定ばかり聞かされて大人になり、自分を悪く考えたり価値がないように感じるようになり、他人の承認や好意に価値をおくようになり自分をおとしめてしまう。そうして内なる批判者に自分が乗っとられるようになり、自分を悪くいい、責めつづけるようになり、自分に価値がない、自信がないと追い込まれていってしまう。他人も責めるし、それ以上に自分が自分を責める声は大きくなってしまっているのだろう。外界や他人を悪くいったり、否定的に考える――つまり心を悪い気分に満たすことも自分いじめのひとつなのだろう。

 私たちは自分を自分で守る、味方になるということがあまりにも少なくなっているのだろう。自分は自分の敵であり、攻撃者であり、いちばんの破壊者になっているのかもしれない。自分が自分の最大の味方、防御者にならなければならないのに、内なる最大の敵をつくりだしているのである。それは自分に向けた評価だけではなく、外界や他人に向けた思い、つまり悪い気分になるということも自分いじめのひとつであるということに気づかないこともあるのだろう。

 私たちは自分の価値や自信を自分でとりもどさなくてはならない、自分で自分の価値を守らなければならないということがものすごくたいせつなことなのだろう。けっきょく、自分の無価値観という社会の洗脳、叩き込まれた思い込み、価値観というものからいかに脱却するかが大事なのである。

 自分の自尊心をおとしめるだけではなく、他人に認められないと価値がないという思い込み、他人や外界が感情の原因という思い込み、他人を変えなければ私の不快感は去らないという思い込み、競争に勝たなければ価値がないという思い込み、そういったおおくのまちがった信念によって私たちは自尊心や自信を損なっていってしまう。ミンチントンはそいう当たり前の信念に揺さぶりをかけて、認知療法的に誤った考えを訂正させてゆく。

 私たちは「~しなければならない」「~すべきだ」という思い込みにあまりにもおおく囚われて、縛られて、苦痛や苦悩におちいっているのだが、ミンチントンはそういったまちがった思い込みの解除や脱落の方法を教えてくれる。ある人にとっては「こんなラクな考え方もできるんだ」と肩の荷がおりて、ラクになれることだろう。

 いかに現代社会が自分に価値がなく、自尊心が損なわれる洗脳や教条に満ちているかということだ。そういう信条や価値観を刷り込まれた私たちはどんなに自信や自尊心を日々失わされていっていることか。ミンチントンはそういった社会からの釘うちのあやまった考えから、正しい自分の自尊心をとりもどす考えを提示してくれる。私たちはいかに自分の味方や防御者、最大の擁護者になっていないか。

 世界がすべて敵になろうと、自分だけが最大の味方、守人にならなければならないのに、私たちはさいしょから自分の心に攻撃者と敵しか引き入れていないのだ。自分を責めつづけ、価値を他人や社会におき、自尊心をどんどん放出していってしまう。私たちは自分の価値や自信はさいしょから最後まで自分で守り、養わなければならないのだ。

 ジェリー・ミンチントンの本はまたチェックしておきたいと思う。私たちはいかに誤った価値観、考え方にとらわれているか、いかに自分の価値観、自尊心を損なわせる考え、信条に洗脳されているか。ミンチントンは実践的なすぐに身につくようなハウトゥー本ではないから効果のほうは弱いかもしれないが、理論的な部分で学ぶことはおおいにあると思う。自尊心の問題というのは社会的な問題なのだろう。


心の持ち方自信の法則うまくいっている人の考え方じょうぶな心のつくり方すぐに役立つ、とっておきの考え方

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Comment

今回はいつも以上に冴えてると思います。
うえしんさんのおっしゃってることは、人生の要でしょう。

初めて書き込みしますが、おっしゃる通りですね。
なぜ今こういう 『自分が大切なんだよ』 という
当たり前のことが忘れ去られてしまったのか。
私はその原因は、人間の脳(理性)にあると思っています。
現代人は脳(理性)を使いすぎてる、かと思えば理性が
外れて人を簡単に殺したりする。
理性が0か100かになってしまっている。
理性は大切ですが、理性よりも心はもっと大切です。
私は神様が創ってくれた頭(脳)は
自分の精神や心を見つめるためにあるのだと思っています。
人間の知識に正しいことなど一つもありません。
脳で得た知識を使って〇×を延々と考えてもそもそも
人間は何も作り出せないのですが
〇×議論だけに頭を使うことがいかに愚かなことか分かるはずです。
自分の心のために脳を使うべきです。

保呂草さん、ありがとうございます。

自尊心の砦をさいしょから自分で守らず、敵や攻撃者ばかりひきいれてしまうのが、人間というものかもしれません。自分を叩いたり、悪い気分をひきずるような悪習はすばやく断ち切りたいものです。こういう心のあり方がふつうや正常と思っているようなら、心の平安がおとずれることはないでしょう。

ぽんきちさん、はじめまして。

自分の体をナイフで傷つける行為は異常であるとわかるのですが、心の中のセルフ・イメージを殴ったり、悲観や悪い気分に満たして傷つける人はたくさんいますね。

心は自分でコントロールできないと思い込んでいたり、悪い気分に満たされることは自分を傷つけているということに気づかないのでしょう。

この愚かさにひんぱんに気づくことができるようになれば、私たちは幸福と平安のカギを見つけることができるのでしょう。

ナイフをもって自分の価値観や自尊心をずたずたに切り裂く愚かな悪習には気をつけたいものです。他人や社会がたとえそうしようと、さいごまで自分を守り抜くのが自分であらなければならないのに、さいしょから自分をナイフで切り刻むようなことを私たちはしているのではないでしょうか。
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