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01 08
2006

書評 性・恋愛・結婚

『性と結婚の民族学』 和田正平

CIMG0001_11113.jpg性と結婚の民族学
和田 正平
同朋舎 1988-05

by G-Tools

 結婚とはなにかと考えると、世界の民族の結婚をダイジェスト的に知るのが参考になると思うのだが、さっこんの本屋にはあまりそういう本はない。晩婚化を反映して結婚について考える人が減ったからだろうか。この本はかろうじて古本屋で見つけた。

 この本では一夫一婦制とかなりかけはなれた結婚制度が紹介されている。一妻多夫制、亡霊結婚、女性婚である。

 一妻多夫はだいたい兄弟や父子に妻が共有される制度、亡霊結婚は跡継ぎのない死者のために結婚する制度、女性婚とは不妊の女性が結婚した女性に夫の子どもを生ませるためにおこなうものである。話がかなりややこしく、この本は学術的であるため、定義がかなり混乱してくれるので、正確にはいいあてていないかもしれないが、それほどややこしいのである。

 一夫一婦制があたりまえとして凝り固まった頭にはかなり混乱する話で、学術的にも厳密すぎるので、この本はだいぶ退屈なところをふくんでいた。キワモノ結婚をおもしろおかしくマンガで紹介するような本のほうがおもしろかったのかも。それは性と結婚の未来形を垣間見せるものでもあるだろう。

 たとえばもし一妻多夫制が許される社会だったら、『タッチ』のカッちゃんタッちゃん南の関係はどうなっていたんだろうと考えることができるし、『キャンディキャンディ』なら(古い!)、アンソニーとテリィと結婚してうはうはだっただろう。亡霊結婚がOKだったら映画『ゴースト』の主人公は結婚していたか(意味は違うが)。人間の社会とはさまざまな結婚制度の可能性があり、また恋愛感情も違ってくるのである。

 アラブ人とアフリカ人の土着思想には、女性を油断ならない性の「つわ者」と見ている向きがあり、アラブ人は貞操と禁欲を強制し、アフリカ人は公認された性交渉のカテゴリーを設定して(!)性的発散を可能にしたりしている。

 これらの関係に自分をあてはめてみると、いったいどういうふうに感じ、どんなふうにふるまっていたんだろうなと思う。それが人類学の役に立つ使い方だろう。晩婚に進む日本の結婚制度になんらかの方策を示唆するかもしれないのである。一夫多妻制などの形態を知りたくなった。あと、結婚とは名や家を存続させるために必死に保険をかけているんだなと思った。

タッチ (1)キャンディ・キャンディ (1)  講談社コミックスなかよし (222巻)ゴースト ニューヨークの幻恋愛は少女マンガで教わった

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Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。神秘思想、仏教、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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