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01 02
2006

書評 社会学

『マンガでわかる良い店悪い店の法則』 馬渕 哲 南条 恵


4532192226マンガでわかる良い店悪い店の法則
馬渕 哲 南条 恵
日本経済新聞社 2004-04

by G-Tools

 私は店員に接客してもらいたいとは思わない。自由に選びたいと思っている。だけど店に入るや否や声をかけてくる店員に辟易してしまうし、個人商店の気まずさはたまらないと思ってしまう。コンビニのようにどこの店員にも顔を覚えられたくないと逃げ回ったりしている。

 この本ではやる気のある店員ほど客を遠ざけるといったように、接客を好まず自由に冷やかしのできる店に人気が集まる理由を明快に説明してくれている。しかも店員が尻を向けているほど客は立ち止まるのである。

 客は買うものが決まるまで人間関係をもちたくないのである。一度接客につかまってしまうと断りにくくなったりするし、ほかの店との比較検討もできなくなってしまう。だからスーパーやコンビニの自由な買い物に慣れている私たちにとっては積極的に接客される店員は不快でたまらないのである。

 むかしの店は品数が少なく、しかも買う種類も少なかったので、店に入るということはその店で買うことだった。「冷やかしお断り」の張り紙!があったそうである。店主は売ってやってるんだという傲慢さをもちえたりしたが、品数や競合店がふえた個人商店は人情味あふれる地域密着の店をめざしたのだが、セルフ方式に慣れ自由に選択できる買い物を好む私たちは、店員と濃厚な人間関係をもつことがうとましく感じるようになった。

 だけどいまだにデパートのようにずらりと待ち構えている店員やハイエナのような店員のいる店に出くわしたりする。そういう変化がまったく学習されていないことが驚きである。私たちはファーストフードやコンビニのようにすぐに変わる店員との関係を好ましく思っているのである。都市民は宿命的な束縛から逃れたがっているのである。こういう関係はいつか企業や結婚のような関係にも拡がってゆくかもしれない。

 店員というのは私にとってはすごく気まずい存在である。顔を覚えられたり、買う品物を詮索される不快感をもったりする。なんでこんなに苦しい思いをするのだろうという思いは積年のものである。なぜこういう関係になるのかを分析してくれるこの本のような存在は、私の思いにナゾをとく鍵を与えてくれる。買い物は社会学や心理学でも放っておけない問題だなと思ったしだいである。


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うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。神秘思想、仏教、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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