『「日本の神様」がよくわかる本』 戸部 民夫
![]() | 「日本の神様」がよくわかる本 八百万神の起源・性格からご利益までを完全ガイド PHP文庫 戸部 民夫 PHP研究所 2004-01-06 by G-Tools |
古代史を読んでみてはじめてわかったことだが、神社の神様というのはおおくが古代の天皇や豪族であったりすることだ。
天皇や豪族が神として祭られ、われわれはいまだにその神を祭っているとはいったいどういうことなのだろうと思う。現代民主主義者として権力者を神として崇めてよいものなんだろうかと思う。人間を神として祭るような心性は現代のわれわれにはないはずである。
その話はおいておいて、神社の神でおもしろいと思うのは、祭られている神の分布によってその天皇や豪族の活躍圏や活動域が推測できるということである。三輪王朝や葛城王朝、河内王朝、出雲王朝、北九州の国家などの大王(おうきみ)や天皇の足跡がわかるというわけだ。神社の神をこのように見てみるとおもしろいのではないか。
日本人はむかし先祖の霊を神として奉ってきた。とうぜん権力者や天皇も同じように神として祭られるようになったのだろう。権力者には神のような超人的なパワーがあり、日本人はその権力にあやかろうとしてきたわけなのか。
かつてこの国の国開きをしてきた豪族や天皇にはかなりの恩恵や崇拝があってもおかしくはないだろう。しかしそれが神となって祭られるのはいかがなものだろう。歴史の由緒が知られるのは味わいであるが、それが神となるのはいささか疑問を呈さざるをえない。でも歴史を守るのは悪いことではないと思うので、こういう方法でしか歴史は守られないのではないかとも思わなくもない。
『日本歴史の原風景』 新人物往来社
![]() | 日本歴史の原風景―21世紀への遺産 新人物往来社 2000-04 by G-Tools |
自然の景観や歴史をどのように味わえばいいのかが目下の私の興味だ。この雑誌は日本全国の町の風景や歴史が紹介されていて、こういう本をこそ探していたのかなと思う。
十三湊の風景、岩手県一関市骨寺の航空写真、三国湊の相貌、濃尾平野のありさま、姨捨の棚田の変遷、琵琶湖中之湖の干拓、巻向・藤原京の空からの写真、石見銀山、満濃池、佐賀平野のクリーク、などが紹介されている。
読後としては地理歴史をたのしむというのはむずかしいということだ。その土地が持っている美しさや歴史を知的に味わうというのはやはり現地に行ってみたり、土地にゆかりがないとあまり味わえないものなんだろうか。地元の歴史なんかは知りたいと思うのだが、知らない地の興味というのはそうそうわかないものである。
『万葉集』
![]() | ビギナーズ・クラシックス 万葉集 角川書店 角川書店 2001-11 by G-Tools |
古文の教養がまったくない私にとって万葉集を味わうのはたいへんむずかしい。この角川ソフィア文庫では現代訳がつけられているのでたいへんありがたい。というか、意味のわからない詩など読んでも意味がないと私は思う。
私が万葉集に興味をもったのは、けっこう土地の詩を詠っていることだ。いまの私の興味は風景や土地の歴史を味わうということなので、各地には万葉集の石碑が建てられたりして関わりがあるのだけど、その意味をつかみとるのはたいへんむずかしい。ということでこの現代語訳はたいへんにありがたいというわけだ。
古代の各地の風景が謡われているのだけど、私にはあまり味わいを感じられなかった。惜しいというか、残念というか、景観の美しさを味わうには万葉集は欠かせないと思うのだが、その情緒を理解できないのはとても惜しいことだ。
『古代日本の謎』 神 一行
古代日本の謎
神 一行

古代史のおもしろいところは、日本の国家の生成のあり方を垣間見れるところだと思う。国家はどのようにできあがっていたのか、とくにどの地方のどの勢力が力をふるっていたのかがわかっておもしろい。
私の興味のあり方は、おもに歴史地理である。地理から各地の歴史を知ることに興味がある。つまり土地や各地の歴史である。この土地にはこのような歴史があったのかと知ることが興味のポイントである。
ただ古代史や歴史の興味を際限なく深めようとは思わない。やはり歴史より現代の社会のほうに考えることに価値はあると思う。歴史へののめりこみには抑制したいとは思っている。
この本は古代史の全般をとりあげていて、だいぶ頭がこんがらがり混乱している私には古代史を整理するにはすこしは役に立った本だ。古代の天皇の名前はドストエフスキーの小説の登場人物みたいになかなか覚えられないし、しかも漢字名がやたら長ったらしく意味もわからないのでなかなか覚えにくいのだ。
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石切神社にいってきました。
初代天皇の神武天皇を打ち負かした饒速日命(にぎはやひのみこと)を祭る石切剣箭(いしきりつるぎや)神社にいってきました。
古代、生駒山のふもとのこの地で神武天皇を打ち負かすほどの勢力があったわけです。饒速日命は物部一族の祖といわれ、この地のすこし北に日下(くさか)という地名があるように「日本国」の由来の地ともされています。
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これが石切神社です。参堂には土産屋や占い師の店がたくさんあって、かなり庶民的な神社になっています。 |
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みなさん熱心に百度石(?)を廻っていました。きょうは特別な日なんでしょうか、それともいつもの光景なんでしょうか。 |
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神武社には神武天皇が戦の勝敗を祈って蹴った石が祭られているそうです。のちに負けることになる饒速日命は滅ばされなかったのですね。 |
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ふつう門に祭られている像は阿修羅みたいに怖い鬼みたいな像ですね。ここでは古代朝廷の服装をした武人の像が門を守っています。 |
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おお、参道にでかい仏像があるではないか。神道と仏教がごちゃまぜです。 |
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参道を少し上ると大阪平野が見渡せる高台になります。古代は大阪湾が生駒山麓まで迫っていましたから、湊を一望できたわけですね。ただ守りが弱いので都は生駒山をへだてた奈良に移りますが。 |
日本の神とは古代の天皇のこと?
神社に祭られている神のことなんてまるで興味がなかったが、古代史を読んでみてはじめて神社の神の多くは古代の権力者や支配者、天皇であることを知った。
神がむかしは人間であったこと、それも天皇やときの支配者であったとは知りもしなかった。また天皇や支配者が神にまで上りつめて、われわれもそれを知ってか知らずか、神社に参っているとはどういうことなんだろうと思った。
現在の人間が現在の支配者や権力者を神として崇めたり、祭ったりすることはほとんどない。われわれはもう少し人間の限界を知っているし、ときの権力者をカリスマ化したり、神格化する危険を警戒している。だいぶ前に亡くなった近代の権力者すら神格化することはないだろう。
しかし大昔の人たちは天皇や権力者たちを神格化してありがたいものとして崇めたり、祭ったりした。現代のインドでならかんたんに生きている人でも神格化しそうだが。
世界ならチンギス・ハーンとかシーザーとか、アレクサンドロス大王とか、クレオパトラとかを神と祭るようなものである。西洋ではかれらを神として祭っていたりするのだろうか。中国なんかでは老子や孔子などを神格化していたりするが。
そもそも昔の日本人は人が死んだら霊になるとか、先祖は神や仏になると信じていた、あるいは思っていたか、もしくはそういうことにしていた。権力者や支配者が神になって祭られるのはふつうのことに属していたのだろう。
現代のおおくの人が人が死んだら神になるとは思ってないだろうが、死者を神格化した神社にはふつうに参ったりする。たいがいの人には神がだれかなんては関係ないだろうが。天皇や支配者を神として崇めることに違和感や不快感はないものなんだろうか。これはもしかしてときの天皇や支配者が民衆を服従させるために大いに役に立った方策だったのかもしれない。でも当時の人もそんな方策ならちゃんと見抜いたと思うんだけどな。
古代史を読んでみておもしろいと思ったのは、神社に祭られている神や人によってその人物の権力圏や活躍圏、あるいはゆかりの地がうかがわれるということだ。もちろん日本の神はあちこちに勧請されるわけだからまったくあてにならない場合もあるが、総本社がその手がかりを与える場合もある。かつては人間であったその神の活躍圏がおぼろげながらもわかるというわけである。
それにしても神やむかしの天皇の名とはなんでこんなにへんてこな名前なんだろうと思う。大物主神(おおものぬしのかみ)、事代主命(ことしろぬしのみこと)、天津彦根命(あまつひこねのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)、玉依姫命(たまよりひめのみこと)、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)、まあ現代人にはその名の意味がとうていわからない。仏教による死んだ人につけられる名前に似ているともいえるのだろうか。もしかしてもともとは日本語ではなかったのだろうか。
もうひとつおもしろいのはけっこう地域の名前がつけられていることである。吉備(きび)であるとか、倭(やまと)、田道間(たじま)であるとか、神の名には地名がついていたりする。むかしの豪族などには地域名がとりいれられたりしていたから出身地がわかりやすい。
私がもうすこし勉強しておれば、古代史と神社の分布の意味を読み解けたのだろうが、いまの私にはまるで手に負えない話である。だいたい古代史の天皇名すら頭にまとまっていない。また、そこまで古代史に手を広げるかもわからない。たんに印象記だけで終えます。
■参考になるおもしろい本
『崇神天皇とヤマトタケル』神一行 学研M文庫
『日本の神様がよくわかる本』戸部民夫 PHP文庫
『崇神天皇とヤマトタケル』 神 一行
崇神天皇とヤマトタケル―三王朝交替の謎を暴く
神 一行

三朝交替の説はなかなか興味をひかれる。葛城王朝、三輪王朝、近江王朝と地域の勢力がぶつかりあう緊迫感がおもしろいと思うのだ。地域の勢力は経済や武力、交通の力などの結集を競ったのであり、天皇や個人名が歴史を動かしたと見るような歴史よりよほど真実をあらわしていると思う。いくら権力者といえどもひとりで歴史を動かすことなどできないのだ。この本は神社から歴史を読み解いた点でも好ましいと思う。
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『古代史の秘密を握る人たち』 関 裕二
古代史の秘密を握る人たち―封印された「歴史の闇」に迫る
関 裕二

関西の山登りをしているうちに古代と関わりのある神社や地名と出会うことが多くなり、いつの間にか古代史を知りたいという気持ちになってきた。この本は格好の本であり、古代史に惹きつけるにはもってこいの本だった。おもしろい。
この本のポイントは独裁権力をもとめる天皇家と、合議制を死守しようとする蘇我氏や物部氏、出雲の対立で古代史を読み解くというもので、この読み方はたいへんにおもしろい。
『日本書紀』が描こうとした天皇家の正統性と、ほかの豪族との緊迫したやりとりがひじょうに興味をひかれる。おもしろいを連呼したい本である。
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『大地のおいたち』 地学団体研究会大阪支部
![]() | 大地のおいたち―神戸・大阪・奈良・和歌山の自然と人類 地学団体研究会大阪支部 築地書館 1999-01 by G-Tools |
関西の地層や地質、大地の変動などを紹介した本だが、私の手には負えない。まあ、関西の地学についていろいろ学べる本である。
『関西自然史ハイキング』 地学団体研究会大阪支部
関西自然史ハイキング―大阪から日帰り30コース
地学団体研究会大阪支部

地域や土地の歴史を知ろうとすれば、やはり地形や河川の歴史も気になってくるものである。この本では関西の各地の地形や地質がどのようなものなのか、現地を訪れるためのガイドブックになっており、なかなか興味津々の本なのだが、ちょっと地学の予備知識がないとかなりわかりにくい本かもしれない。大阪駅が地盤沈下していたり、大和川の県境あたりが土砂崩れが多いなど意外なことがわかる。
『関西 小さな町小さな旅』
関西 小さな町小さな旅
山と渓谷社大阪支局

関西の古い町歴史ある街を紹介したガイドブックである。写真が大きくきれいである。そしてたぶん実物より魅力的である。
かなり個人的な意見だが、歴史ある町というのはやっぱりふつうのどことも変わらない住宅地に多く囲まれていたりする。ここで興味が削がれる。写真の歴史的情緒のある一角というのは町のわずかであるばあいが多く、写真はその一部をクローズアップするから魅力的に見えるだけであって、実体を見るとなかなか魅力的には見えない。
私は山登りは魅力的だと思うし、山あいに囲まれた山村の風景というのはとても味があって好きだが、町めぐりや古い町並みめぐりというのはあまり好きにはなれないのかもしれない。町の観光ってやっぱり好きになれない。ほかの人といっしょに烏合の衆になるのはいやなのである。
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『日本の地名』
![]() | 日本の地名―身近な地名から隠れた歴史を発見する 新人物往来社 2003-03 by G-Tools |
この地名の雑誌は項目別に整理されていてずいぶんすっきりと見られるようになっている。
「古代政府の地名政策」、「職人の存在を示す地名」、「古代氏族名に関する地名の分布」、「地形から生まれた地名」などテーマ別に説明されている。
『人とモノと道と』 赤坂 憲雄 原田 信男 中村 生雄
![]() | 人とモノと道と―いくつもの日本〈3〉 赤坂 憲雄 原田 信男 中村 生雄 岩波書店 2003-05 by G-Tools |
列島の交通や交流をのべた本である。水上交通という面から日本列島をながめれば、はるか遠くの地域が古くからつながっていたり、陸での障壁をものともせずに交流や物流が発達していたと思われるのである。
この本では津軽海峡や対馬、能登、瀬戸内海、琵琶湖、南西諸島、などの交流・流通がのべられていて、列島の人々は古くから活発に結びついていたことがわかる。海は障壁ではなく、人やモノを運ぶ道であったのである。
『海に生きる人びと』 宮本常一
![]() | 日本民衆史 3 (3) 宮本 常一 未来社 1964-08 by G-Tools |
宮本常一がやろうとしたことは個人や天下人の歴史を描くのではなくて、集団や地域の歴史を描こうとしたのではないかと思う。
集団や地域を把握することは文献の多い天下人とちがって、文献も少ないし、それも散らばっているし、空間的にもかなり隔たっており、ひたすらたいへんな作業だったと思うのである。よくこんな集団や地域をひとくくりにした歴史が描けたものだと感嘆するのである。地域が主役の全国史をつかみとるなんてそうだれもができるものではない。
この本では海人の活動が地域や地名を主役に通史として語られていて、よくこんな作業ができたものだと思う。日本人の歴史の教科書はこの宮本常一の民衆史にすべきである。
海人というのは船があればべつに陸に定住する必要はないのだからなかなか定住しなかったようである。現在のわれわれとは発想がまったく違っていたのを知った。定住は塩焼きや田畑の耕作からようやくはじまったようである。
海人は魚が取れない季節や海が荒れる冬などの漁閑期には船で行商をしたりして、しだいに海運をになってゆくようになる。漁神のエビス神が商業の神になってゆく経緯と対応しているといえる。海人は菱垣廻船や北前船などの繁栄とともにたいそう富を蓄積したことだろう。
交通の主役が船から鉄道に変わったとき、かれらは商人として陸に上ったのだろうか、それとも漁師に帰っていったのだろうか。漁船が海運の役目を失い、漁業だけの船になったとき、各地の港も漁業だけの港に帰っていったのである。
『日本「歴史地名」総覧』
『日本「歴史地名」総覧』 歴史読本特別増刊事典シリーズ
新人物往来社 1994 1800e(古本)
自分の住む町に歴史の由緒がありそうな地名があったりすると、どうしてそのような名がついたのか知りたくなるものである。地名は歴史の手がかりを残していてくれる。
この雑誌はそのような歴史地名の読む事典である。自然地名や渡来人ののこした地名、豪族・部族の地名、鉱物・鍛冶に関係のある地名、信仰に関わる地名などが紹介されている。
このような知識をすこしでも頭に入れておくと、地名由来をちょっとは推測できるようになるかもしれない。
一日乗り放題きっぷで鳥取まで。
きょうはJR西日本の一日乗り放題きっぷで鳥取のほうまでいってきました。3千円です。
山陰の山あいの田んぼが美しい。出雲大社までいこうと思っていたのですが、大阪から快速が見つからず、普通ばかりで、しかも終点までが短い。のりかえは福知山、城崎、浜坂、鳥取とこれだけで半日をついやしました。くたくたです。
四人掛けシートでは家族にはさまれ、きゅうくつな思いをし、ロングシートでは景色が見えず(日本海の景色はきれいでしたがあまり見えず)、文庫本が古代史関係を二冊も読めただけです。
帰りは智頭、津山、岡山と中国地方を南に降りて、播州赤穂とまたまた普通をのりつぎ、姫路からようやく快速で大阪まで帰ってきました。
田舎のほうにいくと普通ばかりで快速が走ってないことをはじめて知りました。特急なんかハナから乗る気はありませんから、不便極まりないです。JRも特急指定席なんかやめたらいいのにと思います。
乗り放題きっぷは距離をかせごうとしたらぜんぜんその土地をたのしむことができなくなりますから、近場をたのしむ必要があるのではないかと思いました。電車に乗ってるだけで景色もたのしめないようでは意味もありません。この一日はなんだったんでしょうかという気持ちで終わりました。鉄道マニアの方なら多くの路線を乗れるだけでたのしいんでしょうが。
■スパイウェアに感染されまくっています。ブラウザ類を開くたびにポップアップが開いたり、スタートページを侵略されまくっています。駆除ソフトを組み込んだのですが、それが仇となって駆除と確認の表示が出まくっています。どーしたらいいんでしょうね。とほほ。(その後、ウィルスソフトを組み込んだり、WINDOWSをいじったりして、なんとか解決しました。)


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