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03 13
2016

販売・アフィリ

商売は利己主義? 利他主義?――『他喜力』 西田文郎

4198632936他人を喜ばすと、幸運が押し寄せる! 
他喜力

西田文郎
徳間書店 2011-11-30

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 商売の基本は他人を喜ばすことである。この他人を喜ばすことをいつも考えられるようになるにはどうしたらいいのだろう?

 ほかに類書が見当たらなかったので、中身は期待していなかったが、マーケットプレイスで注文して読んでみた。

 あまりにも手放しの能天気な本なので、批判精神と自分のために生きてきたわたしには、受け入れられる土台が違いすぎる本だった。そこまでいくには、もっと他喜力の疑念を晴らす内容が必要だ。

 わたしは世の中を巨大な企業組織の力によって「やらされる社会」、「搾取される世の中」のような捉え方をしている。そのために自分を守るために「自分のために生きる」だけで精いっぱいだ。いかに自分の出力を抑えるかが主眼になってしまって、それはニートやミニマリストの思考に近づく。

 でも商売やお金は他人を喜ばす、楽しませることによって回ってくる。人を喜ばせることをおこなわないと、お金は回ってこない。自分のためだけに生きれば、他人を喜ばすことにはつながらないので、お金がたくさん集まってくることはないだろう。

 というより、金儲けは利己主義や自分だけが得をするような汚いものだと多くの人が思うように捉えている。利他主義や人を喜ばすものとはとても思っていない。だから、自分を守り、自分のためだけに生きようとする。やらされ感や金儲けは利己主義だと思っている人は、このような自分の守り、出力をミニマムにする生き方をのぞむようになるだろう。

 世の中のさいしょの捉え方が違うと、結果的に生き方はこうも変わってくる。

 商売の基本は他人を喜ばせることだと知ったことで、自分の世界観や生き方が相対化できて、自分の姿勢を客観視する手がかりをつかめた。商売や売ることが、自分の世界観や守り方を教えてくれるとは、意外なものである。

 それでどうして自分のように自分のために生きる人間になったり、人を喜ばせ他人に奉仕することが好きな人の違いは生まれるのかという疑問も生まれる。

 商売やビジネスは利己主義なのか、それとも利他主義なのか。アダムスミスとかマンデヴィルの経済学方面からは経済は利己主義を追求することによって全体の経済に奉仕するという理論がとなえられている。

 金儲けを非難して、自分に罪悪感を抱く人も、たいがいは金儲けは汚い、利己的なものだと思っている。

 でも商売の基本を考えると、お客さんを喜ばせないで、なぜお客さんがなけなしのお金をはたいてお金を支払うのかとなる。よっぽどのことがないと、人はお金を手放したりしない。納得や必要があるからこそ、人はお金を払うのである。だれかを儲けさせたり、一方的に得をさせるために、わざわざ売り手にお金を払うわけなどありえないのだ。なぜ商売は利己主義だと思ってしまうのだろう。

 商売の人を喜ばせないと儲からないという考え方は、自分の利己主義・利他主義の相対化と反省をうながしてくる。

 このような疑問に答えてくれる本ではないのはとうぜんである他愛のない本であった。

 金持ち指南本には「自分のことばかり考えていてはダメ。人のことを考えろ」という教えが子どものころからなされていたということがいわれていた。自分のためだけに生きている人には他人に喜びをあたえないので、お金をもらうことがないのはとうぜんのことである。

 それを道徳の強制としてしまえば全体主義的な問題が起こるのだが、商売の基本はわたしの生き方、世界観に疑念を抱かせるものであった。


「儲け」を生みだす「悦び」の方程式 ―見える人にしか見えない商売繁盛の「仕組み」とは「また買いたい」と思わせる「悦び」の方程式 (PHP文庫)仕事で成功するたった1つのルール 人を喜ばせるために仕事をしなさい!なぜ、この人たちは金持ちになったのか (日経ビジネス人文庫)アダム・スミスの失敗―なぜ経済学にはモラルがないのか

03 04
2016

販売・アフィリ

「汝自身を知れ」――『御社の「売り」を小学5年生に15秒で説明できますか? 』 松本 賢一

4396110995御社の「売り」を小学5年生に15秒で説明できますか? (祥伝社新書 99)
松本 賢一
祥伝社 2008-01-25

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 つたわるメッセージを生み出すためには、成功者の模倣ではなく、自分自身を知らなければならないという、マーケティングのテクニックを期待していたらどこに連れてゆかれるのという不思議な本かもしれない。

 巻末の参考文献には、アラン・コーエンやサネヤ・ロウマン、アラン・ワッツというスピリチュアル系の著者がならんでいる。

 べつにアヤしくない内容だけど、テクニックを学ぼうとしたら、自分自身を知れというメッセージには面食らう。

 わたしはこの「深い」内容をうまく咀嚼できたわけではない。まだ、人にきちんとつたわる整理を著者自身ができていないのではないかとも思える。

 著者の心理学化、スピリチュアル化というのは、人につたわるメッセージはそんな生半可なものでできあがるものではないという意識が強いのかもしれない。

「他人から与えられた価値観や目標は、その人の本心を反映していないため、永遠にその目標を達成することはできません。私はこれを「悪魔の目標」と呼んでいます。他人から与えられた価値観ではなく、その人が本心から願っていること、本心から欲していることを見つけ出し、形にしていく」

「自分たちは、なぜ物を売ろうとするのか」
「なぜ、自分はこの商品を扱っているのか」
「なぜ、自分はこの仕事をするのか」



 もう「道」というか、「求道者」のようである。

 わたしは自分自身をつかめているからといったらまったくつかめている実感をもたないので、著者の深みにも納得にもついていけなかった。人につたわるメッセージとはそこまで魂をふりしぼらなければならないものなのか。

「本来、他社と「差別化」をするためにマーケティングを学ぶはずが、「同質化」を起こしてしまい本末転倒なことになっているのです。「恐れ」があるからどうしても人の真似をしてしまう。そこには自分の本心は存在しませんから、人に伝わるものが作れない」

「私たちの大半が、夢や希望を達成できないのは、大声で叫んでいる人から与えられたビジョンや成功事例を達成しようとしているからです」

「誰かの価値観を生きる必要も、誰かの人生を生きる義務もない」

「人の価値観の中に、自分本来の生き方など存在しません」



 マーケティングにアラン・コーエンやサネヤ・ロウマンのスピリチュアル・メッセージがドッキングしたかたちになっているわけである。

 これはもうメッセージやマーケティングに深く深く悩んで、いきづまって、うなった末にしかたどりつかない考え方なんでしょうね。

 人の成功事例を模倣ばかりして、ちっとも自分自身の心から出るメッセージを生み出せないということで、こういう結論にいたったのでしょうね。

 わたしはそこまでのレベルや壁にいきついていないわけで。


人生の答えはいつも私の中にある〈上〉 (ワニ文庫)「願う力」で人生は変えられる―心からの願いと「内なる力」を知るスピリチュアル・ルールスピリチュアル・グロース―光の存在オリン、ハイアーセルフを語るリヴィング・ウィズ・ジョイ―光の存在オリンが語る愛と喜びのメッセージ心理療法東と西―道の遊び

02 23
2016

販売・アフィリ

「喜んでもらってナンボ」――『商売繁盛! お客様学』 水野勝弘

商売繁盛!お客様学―面白心理マーチャンダイジング
水野 勝弘
モデラート
売り上げランキング: 823,915


 読んでよかった本。商売のいちばん根本的なことをつかませてくれる本。意外にそういった基礎って、ハウトゥの陰に隠れて忘れられるからね。

 2ページ1コラムの軽い内容。アイデアや発想の火花になるし、系統立たない内容のほうがいいばあいもある。

 

「サービスとは他人を喜ばせることである」

「商売とは、相手に喜んでもらうということにつきる。相手に喜んでもらえるからこそ、報酬が得られるのだ。端的に言って、「喜んでもらってナンボ」。相手の喜び代が、売り上げ」

「商売は、プレゼンテーション。お客に、プレゼントすると思えば、よい。プレゼントは相手に喜んでもらうためにすることである。相手が喜んでくれなければ、意味がない」



 こういういちばん基本的な精神的なものがすっかり抜け落ちて、販売や商売に挑んでいるということがありそう。たんじゅんで、あたりまえすぎて、売り手や売ることしか考えてないとこの基本が見えなくなる。ときにいちばん見えていないことだってある。

「お客を喜ばせることができ、そのことを楽しむようになれば、間違いなくお店は繁盛する。お客を喜ばせようという熱意をもって、喜びを配ることを最優先。

よくある間違いは、つい「自分が」「自分が」と自分のことで頭がいっぱいになることである。自分のことしか考えられないようでは、お客は絶対に近寄ってこない」



 ビジネスを利益や拡大をめざすものと捉えていたら、もうお客を喜ばせる、得をさせるという思いもまったく見えなくなるのだろうね。この基本を欠如させたビジネスマンや商売人っていそうだね。

 こういうことも大事。

「成熟世代は個人の時代。「皆さん」と呼ばれたくない「私」。「あなた方」ではない「あなた」。

自分にだけ、他人とは違う。「違う」が相手の心をとらえるのだ」



 いまの買い物はほぼ自分のアイデンティティ探しになっている。機能や用途では売れないのである。

「小売業は、お客にとっての生活イメージを追求、探求する場を与えること。お店づくりは、一つの文化作品を創作すると考えるべきだ。

文化マーケットは、好みの発見、好きの探求である。追求、探求を楽しむことが、文化のマーケットと言ってよい」



 この本にはほかにもいい言葉や指摘、発想がちりばめられていると思う。もちろん商売に精通した人と、わたしのようなしろうとにとっての必要な情報はあまりにも違いすぎるのだが、初心者にとってはためになる指摘をたくさん聞くことができた。

 もっと引用して、自分の備忘録のためにまとめておきたいのだが、ブログはそこまでする場でもないしね。

 こういう商売の基本や精神的なものを教えてくれる商売の本って、なかなかほかに見つけにくいように思う。ビジネスやハウトゥばかりで、足場を固めるような本は少ないように思う、まったくわたしの視野が狭いのもあるのだけど。 

 わたしにとって、こういう商売の本を読めるようになったことはとても有益なことだと思っている。自分の楽しみに生きてきた者にとって、人を喜ばせるという動機は希薄だったのだ。だからムリな道徳の押しつけではない、人を喜ばせるという探求は、このような商売の本を読まないと、芽生えなかったものだ。


お客さま学〈2〉 (ジョルダンブックス)大富豪に学ぶ商売繁盛20の教訓―商機をつかむ知恵と決断繁盛本 街場の飲食店に学ぶ商売繁盛200の教え「儲け」を生みだす「悦び」の方程式 ―見える人にしか見えない商売繁盛の「仕組み」とは商売繁盛・老舗のしきたり

02 09
2016

販売・アフィリ

本と物語の力を――『12人の漁師たちを優秀なマーケターにする方法』 ジョー・ヴィタリー

489451523712人の漁師たちを優秀なマーケターにする方法
ジョー・ヴィタリー
フォレスト出版 2012-08-18

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 12人のパレスチナの漁師というのはキリスト教をひろめた人たちのことであり、キリスト教を広告の目でとらえなおした1920年代のベストセラー『誰も知らない男』を書いたブルース・バートンの広告術を教えた本である。複雑な構造であるが。

 広告術としていくつもいいことが書いてあるが、「業界の神になれ」と「寓話と友に語れ」はとくに感銘深かったので、そのことについて少し。

「とくに私が不思議に思うのは本を書くと誰でもとたんにその道の第一人者である、と思われることだ。たとえその本が間違いだらけであっても、だ」

 この言葉の意味は大きい。本を出すと内容をたしかめもしないで権威を感じる向きはたしかにある。戦略として使用できそうだ。

「あなたは知っていて、それをなんの苦労もなくできるかもしれない。でもほかの人は誰も知らないんですよ」

 なにも書くものをないと思うことは、人気のラジオ番組をもっていてテキサスでは誰も知らない人はいないというほどの人気者でも、おなじことをいう例が引かれている。

 「寓話とともに語れ」は抽象的な言葉より、物語のほうが人をひきつけ、納得させる力はたしかにあるのでしょうね。

 わたしは要点やメッセージを簡潔にまとめた抽象的な言葉を好むが、物語のほうがぐいぐい入ってくる側面ももちろんもっている。それを言葉で読み解かないと意味わからないと思うのだけど。

「ストーリーは、あなたのメッセージを相手に意識させることなしに伝達するための有効な手だ」

 そういえば、「新約聖書」だって物語になっているし、「法華経」も物語だ。

 わたしがまっ先に思い浮かんだのは、カーネギーだ。『道は開ける』も『人を動かす』もほとんど物語形式で語っている。印象深い人生の物語が語られていて感銘深く記憶されるのだが、あとから要点をひきだすのがわたしは苦手で、だから簡潔な抽象語を好むのだが。

 靴を売る時でも長所を述べるより、だれかの体験談として外反母趾で悩んで夜も眠れない人がこの靴をはくと痛みが治まったという物語のほうが人はひきこまれやすい。

 ほかにあえて弱さをさらせという章では、「あまりにも多くの会社が自分たちがいかに素晴らしいかをわめき散らしている」からだといっている。

 ほかに批判をすることが偉いと思われているSNSの時代にはこの言葉を。

「常に行動する者が批判する者よりも優れていることを忘れてはならない。
行動者は前に進み、批判者は立ちつくし、追い抜かれるだけなのだから」

 まあ、この本はマーケティングや広告の本でありながら、聖書的な章立てで書かれているのが新鮮といえば新鮮。いまでは忘れられたブルース・バートンの教えを発掘し、またその人の書いた本がキリスト教の広告法だから、ややこしい入れ子構造になった本といえる。とくに役立つ教えは上の二章だね。


誰も知らない男 なぜイエスは世界一有名になったか
ブルース・バートン
日本経済新聞社
売り上げランキング: 68,896


ザ・キー ついに開錠される成功の黄金法則 (East Press Business)お金持ちの法則「豊かさは、与えたものに比例する」伝説のコピーライティング実践バイブル―史上最も売れる言葉を生み出した男の成功事例269人を魅了する 一流の職業人であるための技術全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術

02 07
2016

販売・アフィリ

アフィリサイト半年目、売ることは難しい

アフィリサイト半年目の報告

 アクセス・ゼロのアフィリエイト・サイトを立ち上げて、半年たちました。

 もう、めげそうですね。売れることはほんとにぽつぽつしかありませんし、楽天経由の利益が数十円単位、月数百円単位で転がってくるだけ。

 アクセスのほうはブログ村のほうから新着記事からの流入をすこしは見込めますが、紹介アイテムを見つけるのもひと苦労。

 商材はレディース・ファッションにしていますが、いまはAmazonの売れ筋ランキングから自分の薦めたいアイテムを絞るだけ。

 センスや感度が問われるファッションだからむづかしい部分もあると思います。インスタグラムのファッションリーダーとか見つけて、そこからアイテムをひっぱるとかの工夫が必要なんでしょうか。

 ふつうのアフィリやっていても儲けにはなかなかつながらないですね。もっと発想を根本から考え直さないと売り上げは伸びないのかな。


 ■アフィリの効用

 自分の興味のないアイテムをあつかうことによって、お客さんを喜ばせる、注目されるとはどういうことかという根本的なことがつかめるようになったと思っています。

 アフィリって、考えようによっては自分で自営をやるとか、店をもつとかの疑似的な体験ができると思います。

 まったく知名度も認知度もなく、売れることもない店を運営することはどういうことなのか、アフィリサイトは疑似的に体験させてくれる貴重な経験をもたらしてくれます。

 自分の趣味のためにやる書評サイトでは、自分自身が楽しむためにやっているのでべつにアクセスが少なくても、あまり読まれなくても、自分のためにやっているという持続性は保たれます。

 しかし儲けを目的にするアフィリサイトはお客さんに見られて、買われなければ、モチベーションを維持できません。あくまでも読者、お客さんのためだけにやるアフィリサイトは、売れなければ足場を失ってしまう危ういものです。

 お客さんに認知されない、ちっとも知られていないということがどういうことか、儲け主体のアフィリサイトをすることによって、他者にまったく存在を認知されない状態が売ることのスタート状態なのだと実感を強くしています。

 趣味でやる書評サイトはべつに読書不在でも、自分の楽しみのためのモチベーションだけでつづけることができるので、アフィリサイトのような他者に認知されないことの大きさは、わたしにとってははじめてであり、有益な感覚だと思えます。


 ■販売・マーケティング本とソーシャルメディア

 アフィリサイトは疑似的に店を持つような感覚や立場をもたらしてくれます。そのおかげで販売本やマーケティング本、コピー、広告本が読めるようになったのは、大きな収穫だったと思っています。

 売れないこと、どうやったら売れるようになるのかと追いつめられて、その分野の本を勉強したくなるモチベーションを高めれてくれたのは、アフィリサイトのおかげです。さらに売れないことは勉強熱をもっと高めてくれます。

 たとえば趣味でサイトをやっていたり、売ることの最前線に立たない作業系の仕事ではそのような感覚やモチベーションをもつことはできませんよね。売れないと苦労してはじめてそのような本の需要が生まれます。

 アフィリが疑似自営や店舗と同じ勉強をもたらすといえるのなら、この販売やマーケティング本も、ブログやツイッターなどのSNSのあり方ともひじょうに似ている、つながっているともいえます。

 ソーシャルメディアの時代は店や企業だけではなく、個人もおなじような販売やマーケティング的な立場に立たされることになるのではないでしょうか。

 ツイッターでフォロワーや好評を受けるツイートをするには、これまで企業がおこなっていたような広告やマーケティング的な目線が必要になるということではないでしょうか。企業がめざしていることって、SNSで個人が人気を得ることとひじょうに似ています。

 ブログで人気記事を書くことも同じです。店や企業のどうしたらお客さんに注目され、買ってもらえるかと考えていた視点って、ブログでどうやって注目され、人気のある記事を書こうかと思う視点とまったく同じです。

 趣味や好みで書く記事やツイートは、他者のウケより自分の楽しみで書かれることが多いから、あまり他者のことまで考慮が浮かばないかもしれません。でもアフィリになるとまず他者ありき、お客さんのために書かれるので、お客さんのウケや注目が第一になります。アフィリは強制的な他者第一主義になりますね。

 趣味は自分を楽しませることが第一になりますので、他者に届くか、他者はどう思うかはあまり強く意識されることはありません。アフィリはより読者第一主義の視点をもたらし、それは多くの人に届けようとするエンタメ要素を強めるのではないでしょうか。


 ■売れないこの先

 販売やマーケティング、広告などの本をもう二、三十冊は読んだでしょうか。

 でもいくらコピーの本を読んでも、自分の頭からしぜんに売れるようなコピーが出てくることはないんですね。反復して覚えて、身に染みるほどにならないと、頭からしぜんにわきあがらないものなのでしょうね。

 それとも商才のようなものはほんの数ヶ月本を読んだだけでは身につかないような長い年月をかけた蓄積や才能のようなものなのでしょうか。

 販売本やマーケティング本を読めたことは、わたしにとっては収穫だと思っています。アフィリサイトを真剣にやるようにならないと、他者第一主義のような目は育ちません。

 他者を喜ばせることが好きな人はもともとにそなわった性質なのでしょうが、私のような自分を楽しませることを主体に生きてきた者にとっては、そういう他者を喜ばせることが必要な視点はひじょうに勉強になります。

 まあ、半年やってアフィリの売り上げはほとんど立っていません。すこしの上増していどの稼ぎが加わっただけです。

 これからもつづけるべきか、やってゆくことに価値はあるのかと迷うのですが、広告本やマーケティング本を読むモチベーションを維持する意味で、もうすこしつづけたほうがいいのかもしれません。

 これはブログやSNSに通底する視点だと思いますしね。

 売ること、知られることはこんなに難しいとわかったことは、ひとつの収穫でしょうか。他者を喜ばせようとする視点の醸成もわたしにとっては有益なことだと思います。

 どうやったら売れるようになるか、といったことを考えて悩むことは、これからのソーシャル時代にも通底する視点と捉えて、これからもアフィリサイトをがんばってゆくべきなのか、といったところでしょうか。


 
02 02
2016

販売・アフィリ

田舎町の商店主になれ――『ザ・サンキュー・マーケティング』 ゲイリー・ヴェイナチャック

4408109207ザ・サンキュー・マーケティング
ゲイリー・ヴェイナチャック
実業之日本社 2012-01-31

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 冒頭のつかみはOKだったんだけどね。

 ソーシャル・メディアによってこの世界は小さな田舎町になった、店や企業はむかしの商店主のようにならなければならないというメッセージは、ネット以前に読んだアルヴィン・トフラーやマーシャル・マクルーハンなどの興奮を思い出させた。

 そうだな、ソーシャルメディアは人々のつながりをむかしの田舎町のように変えてしまったのだな。だれも知らない、なにも店員に声をかけられないスーパーやショッピングモールの関係に慣れてしまったが、ソーシャルメディアはふたたびむかしに戻すのだなと感慨深くなった。

 だけど内容のほうはいまいち変わらなければならないこと、具体的な姿をすこしつかみにくかった。

 マスコミのように上から押しつけたり、一方的な誘導だけではもう見向きもされないというのは、なんとなくわかる。企業は消費者のように、ふつうの個人のような顔をもち、友人のような関係をもたなければならないというのも、わかる。もうマスコミ時代のような上から教えてやる式の広告は用をなさない。

 だけど、いまいち内容がぼんやりしている。だいいち、サンキューマーケティングという名称自体よくわからないものだ。

 まあ、小さな田舎町の商店主のような世界に戻ってゆかなければならないという基本だけおさえた。

 組織や公式の陰に隠れた名のなきサラリーマンではなく、嗜好や趣味をもった個人として情報や感情を発信してゆくというお達しもほかに聞くこともある。個人の顔がソーシャルメディアで求められてゆくのだろうね。

 この本は2002年に出されてもう4年たった。ソーシャルメディアの使い方、意味もだいぶ変わってきた頃合いなんでしょうね。わたしは企業や商品を売る店とかのフォローをほとんどしないので変化がどうなっているかさっぱり知らないが、企業はもっとソーシャル的にくだけてゆかなければならないのだろうね。


 なお、著者は親父の酒屋の事業をソーシャルメディアによって拡大した事業家である。

 ワインを語るワイン専門家としてTVサイトも立ち上げている。

 「ワインライブラリーcom


~Twitter、Ustream.TV、Facebookなど、ソーシャルメディアで世界一成功した男~ゲイリーの稼ぎ方(ソーシャルメディア時代の生き方・考え方)顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたかソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なこと売上を2倍にする!  ソーシャルメディア 成功の方程式ソーシャルメディアを武器にするための10カ条 (マイナビ新書)


02 01
2016

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古典本が読みたい――『1行バカ売れ』 川上 徹也

1行バカ売れ (角川新書)
1行バカ売れ (角川新書)川上 徹也

KADOKAWA / 角川書店 2015-08-10
売り上げランキング : 754


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 冒頭に書いているようにどのコピーライティングの本もおなじことを書いているといっている。普遍的な本能や欲求は変わらないからだという。

 この本はこれまでのそのような売れる確率を上げる法則や型をまとめた本になる。だからほかの本をどれだけ読んだかでこの本の評価は変わるだろう。

 わたしのようなコピー本初心者のものは目新しいことが書かれているように思えるし、だいぶ読んだ人には最新の事例には参考になるものが多いと思う。

 基本的にこういうハウトゥ本というのは、古典的な文量の多い本のほうがいいように思う。文量が多ければ、文脈のなかでの説得や納得も大きい。文量が少ないと頭には入ってきやすいが、納得と頭に残る確率が少なくなる。

 ここに書かれているような古典的著者、ジョン・ケープルズ、デイヴィッド・オグルヴィ、クロード・C・ホプキンス、レスター・ワンダーマン、ジョセフ・シュガーマン、ダン・S・ケネディといった人の古典的名著を読んだほうがいいのでしょうね。

 この本のいいところはさいきん売れた新しい事例が書かれていることと、独自にまとめたオリジナルな要点になるのでしょうね。

 表紙の「ステーキを売るな、○○○を売れ!」というコピーはわたしだって知っている。初心者のための本か、たくさん読んだけど要点を読みたいという方には参考になるのでしょうね。

 読後としては、あまり残らない印象かな。「自分と関係あると思ってもらう」とか「いまここだけあなただけ」のメッセージなどのいいことはたくさん書いているのだけど、あまり残らないんだな。やっぱり長々とした文脈での気づきが大きいのだと思う。

 古典的名著を読みたい。

 ちなみにこの本、ブクオフで560円で買ったのですが、いまKindleでは259円じゃないですか。ブクオフが負けることもあるんですね。


▼著者のいう古典名著、引用書
「売る」広告[新訳]ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則広告マーケティング21の原則ワンダーマンの「売る広告」全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術

究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブルレビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践ステーキを売るなシズルを売れ --ホイラーの公式 (フェニックスシリーズ)

01 24
2016

販売・アフィリ

クチコミの巨大な世界――『なぜ「あれ」は流行るのか?』 ジョーナ・バーガー

4532319080なぜ「あれ」は流行るのか?
―強力に「伝染」するクチコミはこう作る!

ジョーナ・バーガー
日本経済新聞出版社 2013-09-26

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 あるところまではものすごくおもしろかった。あるところからは、あれ、なんだか最初みたいなおもしろみがなくなっているなと気づいた。

 ものすごくおもしろいと思えたのは、人はなぜこれを話すのかという項目についてだった。おもしろみがなくなっていったのは、クチコミを流行らせるノウハウ・視点のみを感じさせられるところからだと思えた。

 つまり人はなぜあれではなく、これを話すのかという学究的説明にはおもしろみを感じられたが、ノウハウ書としてはおもしろみは剥がれていった。

 「クチコミは、良い印象を打ち出すための重要なツールであり、その威力は新車やプラダのハンドバッグにも匹敵する」

 「「自己共有」は私たちに一生つきまとう。私たちは、友人に買ったばかりの服の話をしたり、地方紙の投稿欄向けに送る記事を家族に見せたりする」

 「自己顕示欲のせいばかりではない。じつは、私たちはそれが快いと感じるようにできているのだ。…食事やカネで満足感を得たときに反応する脳の領域が、自分語りによって同じように活性化することがわかった」

 自分の話す内容や選択が、なぜあれではなく、これなのか、なぜこの話題を語るのかという洞察はあまりしたことがないので、目を啓かれる思いがした。

 そうか、話す内容もクルマやバッグのような優越のために見せびらかすツールなのか。自分をよく見せるためのツールなのである。

 この本は口コミを流行らせるために「こうしろ」という本なのだが、なぜ人は話すのか、クチコミで伝染する話題はなぜあれではなく、これなのかといった「なぜか」の学究的な内容ならもっと楽しめたのではないかと思う。

 クチコミの研究って売るためのマーケティングから必要とされるノウハウなのだけど、「なぜ」と問う学術的態度のほうがずっと興味深いように思える。

 クチコミや人がふだん話す内容の選択ってあまりにも無意識であたりまえすぎて、マスコミのように見えやすいものでもないし、あらためて問われることもない。それだけにこのクチコミの大きさ・広がりの影響力には目を啓かれる。

 この本はクチコミやネットワークの伝染性を研究したマルコム・グラッドウェルの『急に売れ始めるのはワケがある』のリスペクトから生まれた本であり、そのクチコミを流行らせるノウハウを洞察したものである。

 クチコミってこんなに影響力があり、どんな風に広がり、どんなものが広がらないのかといった、かなり有効な知識を得られる本である。おもしろみもじゅうぶんある。ただ、会話によって優越や卓越を競っているという洞察があまりにも興味深かったので、その追求をもっとしてほしいと思った本だった。

 クチコミのネットワークというのはふだん意識もせず、マスコミのように見えるものではないから、この知識の一端にふれるだけでもいままで見えていなかった世界がとつぜん現れるような違いがあるように思われる。

 それほどまでに目には見えないが、大きな力を有するのが、クチコミのネットワークというものではないだろうか。マスコミやSNSは、そのネットワークを技術によって広げたものにすぎない。

 クチコミや会話ってすぐ身近にありながら見えないが、いかに巨大で影響力をもつものか、目に見えるものにようやくしてくれるのがこのようなクチコミを分析した本でないだろうか。


急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則(ソフトバンク文庫)口コミ伝染病―お客がお客を連れてくる実践プログラムキーパーソン・マーケティング: なぜ、あの人のクチコミは影響力があるのかソーシャルメディア クチコミ分析入門「現代ネットワーキングの父」Dr.マイズナー流口コミを生むためにやるべき16のこと

01 17
2016

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美魔女ブームの仕掛け方――『欲望のマーケティング』 山本 由樹

4799312316欲望のマーケティング (ディスカヴァー携書)
山本 由樹
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012-10-13

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 美魔女をしかけた元雑誌編集長が社会現象をまきおこす方法を語った本である。

 こういう方法はひじょうに感覚的・経験的なものであって、芸能人のヒット理由のように明確化しにくいもので、どれだけビジネスの一般教書として役に立つかという疑問はもちろんあると思う。ひとつの経験談として読むべきものなんでしょうね。

 40代向けの『STORY』の編集長を務めている中で、妻たちが夫から異性として見られず、セックレス7割という数字から、美魔女コンテストをしかけるまでの経緯が語られる本である。

 美魔女はイタいという賛否両論をひきおこしたが、無難な表現はなにもいっていないと同じ、どうでもいい存在は評価の場にさえ上がってこないといわれている。まるでブログ記事の炎上をいっているようで、賛否両論を巻き起こすもののほうが、いまは話題や議論の俎上に乗りやすいのでしょうね。

 この本の目標は広告でお金をつかわず、社会現象にもってゆく方法を探ることである。

 ターゲットを絞りこむことがのべられるが、だれにでも売ろうとすると、個性の喪失という危険と隣り合わせだと指摘される。そこで不満をもっていながら、「言語化されない欲望」を探り出すことが重要だと告げられる。

 認知は欲望と一体といってもいいという認識は銘記しておきたい。人は記号化された情報に欲望する。情報こそは欲望なのである。

 「言えない欲望」や「語られない欲望」に社会現象をおこす大きなマーケットが隠れていると著者はいう。

 どれだけほかの人が参考になる本かわからないが、美魔女ブームをしかけた仕掛けの発想法や経験談として聞くべき本なのでしょうね。


ブームをつくる 人がみずから動く仕組み (集英社新書)テレビが飛びつくPR―予算9万円で国民的ブームを起こす方法どんな人でも買わずにはいられなくなる「欲望直撃」のしかけソーシャルインフルエンス 戦略PR×ソーシャルメディアの設計図 (アスキー新書)ブームはどう始まりどう終わるのか (岩波アクティブ新書)


01 14
2016

販売・アフィリ

意外におもしろかった――『新しい成功のかたち 楽天物語』 上阪 徹 楽天市場監修

4062152738新しい成功のかたち 楽天物語
上阪 徹 楽天市場
講談社 2009-03-31

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 意外におもしろかった。楽天ネットショップを軽い気持ちでのぞいてみる感じで読んでみたが、雇われ人ではない自分で切り開いてゆく9人の人生経緯がおもしろかった。

 個人ヒストリーや個人感情につっこみすぎている嫌いもあるけど、ビジネスだけに徹すればそこはおもしろみもなくなったかも。

 2009年の本でだいぶ古い話になるのだろうね。その分、楽天ショップはいまどうなっているだろうかとホームページはのぞいてみる価値はあったが。

 楽天ショップを開くようになった経緯を中心にごろんと9人の経緯が載せられているだけど、それはどうなのという第三者からの批評や評価がなかったので、そこらへんの目がほしかったと思うところだ。

 だいたいの楽天ショップはリアル店舗やリアル事業から入ってきた人が多くて、ネットショップからゼロからはじめた人をとりあげてはいない。

 鶏肉の専門店水郷のとりやさんは50歳からネットショップをはじめた事例としておもしろい。いいものを安いだけではダメなんだと気づく経緯や、ネットショップによって個人的なつながりをもって、商売でこんなことがありえるのかという感嘆が、ネットの性質をつたえていて、おもしろい。

 ホンコンマダムの店長は海外旅行の経験やフリーマーケットの経験から、ネパールからの輸入のネットショップをはじめた。

 ジュエリー工房のベーネベーネは、問屋に卸さない直販のメーカーをはじめた例である。ネットの衝撃は中抜きをできるメーカー直販の販売なのだが、問屋や小売りの配慮からできなかったり、メーカー一社だけなら商品数が少なくなり、けっきょくほかから商品を集めた小売りのほうが機会が大きくなったりする。メーカー直販はどうなるのだろうか。

 キッチン雑貨販売の自由が丘WINGは中古自動車販売にかかわっていた二人が、輸入家電からレシピを中心にしたキッチン雑貨販売を手掛けてゆくことになる。キッチン用品を売るのではなく、レシピというコンテンツを売ることによりその必要な道具が買われるという仕組みは強いだろう。

 もっとネットショップを立ち上げた人の類書を見てみたいと思ったのだが、そうないだろうな。個人が人生や商売を切り開いてゆく経緯には興味がある。 

 Amazonでは1円と配送料、ブックオフでは200円で手に入ると思いますので、興味ある方はお気軽に手を出せる値段ですね。


インターネットにお店を持つ方法~ネットショップ開業で夢を叶えた12人の女性オーナーたちネットショップだからできる私だけのこだわりのお店。スイーツをネットショップで売りたいあなたへ ~全国12店のオーナーが明かす、小さなお店で成功するための店づくり・商品・売り方~セレクトショップの強みを生かしたネットショップを立ち上げる―独自の世界観をもったファッションサイトのつくり方600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス (角川SSC新書)


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うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。ビジネス書、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、精神世界、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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